心理科関係大学院の概要

信州大学教育学研究科には、高度教職実践専攻(教職大学院)と学校教育専攻の2つの専攻があります。高度教職実践専攻(教職大学院)については、教育学部/教育学研究科ホームページをご覧ください。ここでは、学校教育専攻の中で、心理学に関連する以下の2つの専修/分野をご紹介します。

  • 学校教育専修教育心理学分野/幼児教育学分野
  • 臨床心理学専修

学校教育専修と臨床心理学専修のもっとも大きな違いは、取得可能資格の違いです。学校教育専攻では、専修教員免許状を取得できますが、臨床心理士受験資格の取得はできません。一方で、臨床心理学専修では、臨床心理士受験資格を取得できますが、原則として専修教員免許状の取得はできません。

両専修ともに、修士(教育学)の学位が取得できることについては共通です。また、指導教員については、いずれの専修に入学しても、心理科関係の全教員から指導を受けることができます。

学校教育専修には教育心理学と幼児教育学の2つの分野があります。どちらの分野を受験した方がよいかについては、事前にご相談ください。


受験相談について

心理科関係大学院では、受験を希望する方との個別相談を随時実施しております。お気軽にご連絡ください。ご連絡は、まずはメールでお願いいたします。その際、指導を希望する教員がいましたら、教員名を記載してください。ただし、出願期間終了から試験終了までの間は、個別面談は行いません。

問い合わせ先は、お問い合わせをご参照ください。また、教員の一覧は、教員・専門分野紹介をご覧ください。


教育心理学分野、幼児教育学分野の紹介

このような人材を求めています/このような人材を育てます

発達・教育心理学を基礎として、教育の専門家(幼小中高の教員)の養成を主目的にしています。学部で教員免許状を取得した方で、心理学の勉強と研究を行って教員専修免許状を取得し、幼小中高の教員として学校教育に携わりたい方を歓迎します。また、現職の幼小中高の教員の方で、教員経験を生かしながら心理学の知識と研究方法を習得し、現場の実践に生かしたい方を歓迎します。

今、学校教育では、勉強の仕方がわからない、意欲的に学習できない、自尊心が低いといった心理学的問題への対応が大きなテーマになっています。従来の教員養成は教科教育を中心としてきましたが、教科の枠を超えた活躍ができる人材が求められています。発達・教育心理学を学び、研究することを通して、心理学的問題の解決を専門とした新しいタイプの人材を育成します。

現職の教員として活躍されている方には、現場での経験を最大限に生かしつつ、アカデミックな理論や手法を紹介します。日々の実践の中で感じている問題をアカデミックな場で研究することを通し、理論に立脚した確固たる教育方法を独自に開拓し、未来の教育に資することのできる人材を育成します。

また、実務の専門家(リサーチ系企業や行政職公務員への就職)、研究の専門家(博士課程への進学)を目指す学生も受け入れています。ご相談ください。

教育心理学分野、幼児教育学分野の学び

少人数制のきめ細やかな支援

定員は、学校教育専修のその他の分野と合わせ4名に対し、心理学を専門とする7名の教員が指導にあたります。少人数制で質の高い指導が受けられます。指導教員以外の教員からの指導もいつでも可能で、個々の学生を全教員で支援する体制を整えています。

充実したスタッフ

心理学は幅広い学問ですが、基礎から応用まで、幅広い専門を持つ多彩なスタッフをそろえており、個々の学生を全教員で支援する体制を整えています。

学校教育研究の充実

教員養成系大学であるという特徴から、心理学のみならず、学校教育全般の諸問題をカバーする教員をそろえています。

取得可能資格

専修教員免許状(幼、小、中各教科、高各教科)の取得が可能です。詳細な取得条件は、教育学部/教育学研究科の学務係までお問い合わせください(連絡先は教育学部/教育学研究科のホームページからご覧ください)。また、アカデミックキャリアの証明として、修士(教育学)の学位を取得できます。なお、臨床心理士受験資格を得ることはできません。


臨床心理学専修の紹介

臨床心理士第1種指定大学院

臨床心理学専修は、日本臨床心理士資格認定協会が認定する第1種指定大学院です。在学中に臨床心理士としての訓練を受け、修了後は直ちに臨床心理士資格認定試験を受験できます。2種指定校も含め、長野県内では唯一の臨床心理士指定大学院です。

臨床心理士および指定大学院についての詳しい情報は、臨床心理士資格認定協会のページをご覧ください。

このような人材を求めています/このような人材を育てます

臨床心理士資格を取得し、地域を中心とした心理臨床的支援ができる人材育成を目的にしています。臨床心理士資格を取得し、心理系公務員(都道府県心理職、法務教官/技官、家庭裁判所調査官など)として働きたい方、精神科などの病院で働きたい方、その他、地域の心理臨床的支援に関わりたい方を歓迎します。

臨床心理学専修の学び

実践力をつける環境

カウンセリングや心理療法、発達障害児・者への行動トレーニング、アセスメント、心理教育的援助サービスやコラボレーションなど、心理教育相談に必要な実践的知識と技能が習得できるプログラムを準備しています。初回面接やアセスメントなどに基づいて援助方針を立てて介入し、終結報告書が書けるまで、単独で相談が遂行できる専門職としての臨床心理士を目指します。そのためのスーパーヴィジョンや事例検討会を充実させています。

研究ができる臨床心理士の養成

真の実践力は研究力が支えていると考えています。この考えに基づき、現場実践だけではなく、研究力の養成に力を入れています。

基本的な心理学研究法(実験法、統計法、調査法、検査法、観察法など)については、必要に応じて学部の授業を履修できるように支援しています。また、臨床心理学だけではなく、発達心理学、教育心理学、認知心理学などの授業を通し、幅広い教養を身につけてほしいと考えています。ここで身につけた教養は、実際の臨床現場や心理系公務員試験でも役立ちます。

上記の基礎学力をベースにして、実際に心理学研究を行い、修士論文としてまとめます。少人数制のゼミでは、論文やデータを発表し合いながらディスカッションを行い、心理学研究に対する考え方を深めます。在学中に3回ある研究発表会では、心理科の全教員から指導を受けます。中には、在学中に学会発表を行う学生もいます。

少人数制のきめ細やかな支援

定員6名に対して、心理科関係教員7名が指導にあたります。少人数制で質の高い指導が受けられます。指導教員以外の教員からの指導もいつでも可能で、個々の学生を全教員で支援する体制を整えています。

少人数教育であるメリットを生かし、様々な研鑽の場を用意しています。臨床実習では、本研究科にある心理教育相談室のほか、信州大学医学部附属病院、近隣公立高校などの協力を得て行います。

学校教育の重視

教育学部に属する大学院であることを生かし、学校教育を重視しています。教育学研究科には、学校教育に関するさまざまな専門家が所属しています。教育現場における教育相談や生徒指導に、臨床心理学的知識や技能を活用できるようなることを目指します。もちろん、そこで養った知見は、医療、福祉、司法、産業分野などでも生かすことができます。

取得可能資格

臨床心理士受験資格が取得可能です。また、アカデミックキャリアの証明として、修士(教育学)の学位を取得できます。なお、教員専修免許状の取得は想定していません。


受験を希望する方へのメッセージ

心理学の基礎的な力を身につけておいてください

心理科関係大学院では、心理学全般にわたる基礎的知識を前提として授業や実習を進めます。心理学全般ということは、臨床心理学や学校心理学に関する知識だけではなく、実験、調査、統計、検査などの心理学研究法関連の知識、および、認知心理学、発達心理学、社会心理学などの心理学基礎分野の知識を含みます。もちろん、入学後のフォローはできる限り行いますが、心理学全般に関する知識を持っていることが望ましいです。

臨床心理学専修を希望する場合でも、臨床心理学やカウンセリングに関する知識だけではなく、幅広い知識を求めます。基礎知識を重視し、「研究ができる臨床心理士」を養成することを目指しています。

時間的、経済的余裕が必要です

アルバイトなどで働きながら通学をしたいというお問い合わせをいただくことがありますが、時間的、経済的余裕を確保してからの進学をお勧めしています。特に臨床心理学専修では、ケース担当から心理教育相談室の運営業務まで、臨床実習のために膨大な時間をかけなければなりません。

時間的余裕としては、少なくとも平日の5日間をすべて勉学のために充てることができることが必要です。たとえば、本業を持ちながら週に何度か通学するというパターンは、時間的に難しいと考えていただきたいと思います。実習関係の授業はスケジュールの融通がきかないので、勉学を最優先にできる環境が必要です。

経済的余裕としては、2年間の学費と生活費の工面が必要になります。奨学金制度の利用が可能ですが、奨学金だけで生活できるのか、奨学金が仮に受けられなかった場合でも生活が可能か、などを考えておく必要があります。

経済的、時間的な問題については、原則として上記のようにお考えいただければと思います。ただし、個別にはさまざまな事情があると思います。疑問がある場合には、遠慮なくご相談ください。

心理学専攻以外の学部/学科を卒業した方へ

心理学専攻以外の学部/学科を卒業した方から、心理科関係の大学院に進学可能か、お問い合わせをいただくことがあります。結論から申し上げれば、入学試験を突破する学力があれば、進学は可能です。実際に、心理学専攻以外の学部/学科を卒業し、入学・修了した学生もいます。

本学では、心理学全般にわたる基礎的知識を前提として授業や実習を進めます。心理学の基礎知識に不安を持つ方は、研究生、科目等履修生として半年から2年間程度学び、入学試験に臨んでいただくという方法もあります。ただし、これらは大学院への入学を保証するものではありません。また、本学部では受け入れていませんが、他大学の心理学科に編入し、卒業するという方法もあります。

博士課程に進学を希望する方へ

本学教育学研究科には、博士課程がありません。修士課程から博士課程への進学は、一般に内部進学が多いと思われますので、博士課程に進学を希望する方には、博士課程のある大学への進学をお勧めしています。しかし、少人数制、研究内容と指導教員のマッチングなど、信州大学ならではのメリットを生かしたいのであれば、博士課程進学希望者も受け入れます。ただし、いずれの大学院に進学しても、近年は大学や研究所の研究者への道は非常に困難であることを覚悟してください。

現職教員の方へ

心理科関係大学院では、心理学的な問題意識を持ち、研究したいというご希望をお持ちの先生方を歓迎します。幼稚園から高校まで、幅広く対応できます。

心理科関係大学院に入学した場合のスケジュールや研究計画など、小さなことでも結構ですので、お気軽にお問い合わせください。心理学を学びたい、研究したいというお気持ちがあれば、お問い合わせのみでも歓迎します。先生方の個々のご事情に合わせ、適切な研究制度、受験制度をご紹介することもできます。たとえば、現職の先生方には、特別選抜を受験していただき、1年次は長期研修制度を利用して通学し、2年次には在職校に復帰し勤務しながら研究を行い、学位が取得できる制度があります。

お問い合わせは、原則としてメールでお願いしています。お問い合わせをご参照ください。

なお、現職の先生方には、学校教育専修をお勧めしています。最も大きな理由は、時間的な制約です。臨床心理学専修では臨床心理士受験資格の取得を目的としたカリキュラムを組んでおり、心理教育相談室の運営やケース対応に時間が制約されます。また、専修免許状の取得も原則としてできません。学校教育専修に所属した場合でも、臨床心理士受験資格を得ることはできませんが、臨床心理学を専門とする教員に指導を受けることが可能です。

以上の理由により、現職の先生方には学校教育専修をお勧めしていますが、大学院進学はさまざまな形式があり得ます。個々のご事情に合わせてご相談させていただきますので、お気軽にご連絡ください。


よくある質問と回答

研究指導について

Q.指導教員はいつ、どのように決まりますか?

入学してから決定します。原則として希望の教員に指導を受けることができます(ただし、希望者の偏りが著しい場合、調整を行う可能性もあります)。外部から入学する場合、例年、4月の段階で何名かの教員と面談し、希望の教員を決めています。もちろん、受験前に指導を希望する教員と相談をすることも可能です。

なお、本学の臨床心理学専修では、研究指導と面接指導の教員は必ずしも一致しません。上記で言う指導教員は、あくまで修士論文の指導を行う教員を指します。面接指導は、臨床心理士資格を持つ教員全員が担当します。

Q.受験前に指導を希望する教員と面談することは必須ですか?

指導教員は入学してから決定しますので、必須ではありません。もちろん、受験前に指導を希望する教員と相談をすることも可能ですし、入学後のミスマッチを避けるためにも、一度お会いになることをお勧めしています。

Q.研究テーマはどのように決めますか?

指導教員と相談の上、決定します。卒業論文の延長をテーマとする学生もいますし、新しいテーマにチャレンジする学生もいます。教員は基礎から応用まで幅広い専門分野を持つので、たいていのテーマは受け入れることができると思います。

Q.臨床心理学専修の面接指導はどのように行われますか?

複数の臨床心理士から指導を受けます。特定の手法や対象者に偏ることを避けるようにしています。

Q.学会発表は可能ですか?

指導教員の指導のもと、学会発表を行う学生もいます。発表したいという意志をお持ちであれば、積極的に支援します。

資格について

Q.臨床心理士資格は取得できますか?

臨床心理学専修は、臨床心理士第1種指定校であり、修了後直ちに臨床心理士受験資格が得られます。一方、学校教育専修は、臨床心理士の指定を受けていませんので、臨床心理士試験の受験資格を得ることはできません。したがって、臨床心理士資格が必要であれば、臨床心理学専修を受験してください。

Q.専修教員免許状は取得できますか?

学校教育専修は教員養成を主目的としているため、各種専修免許状が取得可能です。どのような種の免許状が取得できるかについては、条件によって異なります。この点については、教育学部/教育学研究科の学務係までお問い合わせください。連絡先は、教育学部/教育学研究科のホームページからご覧ください。一方で、臨床心理学専修では、原則として専修免許状の取得はできません。したがって、専修免許状が必要であれば、学校教育専修を受験してください。

Q.現在小学校の免許を持っていませんが、大学院で免許状を取得できますか?

可能なケースもあります。中学校免許を含め、新規に取得する教員免許状については、個々の事情により異なります。この点については、心理科では十分にお答えできませんので、教育学部/教育学研究科の学務係までお問い合わせください。連絡先は、教育学部/教育学研究科のホームページからご覧ください。

Q.過去問の閲覧は可能ですか?

インターネット上から閲覧可能です。教育学部/教育学研究科のホームページからご覧ください。

就職について

Q.就職状況はどうですか?

学校教育専修では教員への就職を想定していますが、公務員、一般企業なども希望に応じて支援します。臨床心理学専修では、心理職公務員(都道府県心理職、法務技官、家庭裁判所調査官補など)、病院心理職、福祉施設職員などが主な進路になります。なお、就職の斡旋は行っていませんので、ご自身で就職活動をしていただく必要があります。